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コルトガバメンツ by ウォーキングスタッフ プロデュース [大好きお芝居・舞台♪]

9月に見たhomeの脚本 田村孝裕(ONEOR8)、
昔からけっこう好きな演出家の 和田憲明の二人とあっては
みたい!と思っていましたが、日程的に行けそうな日はないなぁ、、
と諦め掛けていた所、ぽっかり空いた土曜日♪
と言う事でチケットゲット。
今回は小さな劇場だったので心配でしたが無事取れてラッキーでした。

劇場は、シアター711。
座席はG列3番。
椅子の座席としては最後列ですね。
でも劇場自体が非常に小さいので、遠さは全く気にならず。

元になっているONEOR8の舞台の方は、見ておりませなんだ。
今回が初見なので、原作からこうなのかは分かりませんでしたが、
男臭い!と言う印象の舞台。
4畳半くらいと思われる男部屋が舞台一杯に広がっています。
開演前は『狭いなー』という印象。
此処に子役を含め9人の役者がでるのか、全員は無理だろうなぁ、、、、
などと考えていると・・・

舞台は、まだ客電が落ちる前から始まります。
一人の男が自分の部屋に入ってきて、ビニール袋からペットボトルを取り出し、
お茶を飲んだり、TVを見たり、煙草を吸ったり。
このままお芝居突入か?と思ったアタリで、彼はパソコンを開き、
文字を打ち込むと同時に照明が落ちていき、ふすまのアタリに
コルトガバメンツ
と、出てくる。
「お、この使い方は好きかも」
と思った所で暗転と音楽が大きくなって、始まり。
ふすまには文字が投影され続けていきますが、
ふすまの作りが薄いらしく、その奥にも二重写しになってるのが見えて、
それがよりいっそう夢の話をしている感じが出ていましたねぇ。

4人の小学生時代からの仲間のお話。
コルトガバメンツの名前も、彼ら4人のチーム名(自称)。
ちょろっとイジメ問題なんかも挟んでる印象です。
そしていじめられ役は瀬川亮さん演じる藤井。
彼を前回拝見したのは『みんな昔はリーだった』のダメユキ。
あの時もいじめられていたなぁ。。。などと思いながら見ていました。

当時ガキ大将で今もリーダー的な信ちゃん(加藤虎ノ介さん)、
今は独立して内装の会社社長で、奥さんに頭が上がらない明夫(數間優一さん)、
太め(でも変な太り方、、、)で、オタクっぽい雰囲気のゾメ(おかゆ太郎さん)、
の3人が小学校の同窓会の帰りに、藤井の家に押しかけて展開していきます。
3人が楽しそうなのに比べて、藤井は微妙な表情。
この辺りの演技が凄く巧い!本当に嫌そうな雰囲気を醸し出していて、
『うわ、3人は分かってないだろうけどコレはイジメだ』と感じさせられました。

4人で馬鹿話をしつつも、信ちゃんは藤井に聞きたい事がある模様。
そして、彼らが一緒に過ごした小学生5、6年生時代に時たまバックする舞台。
その小学生時代、彼らは公衆トイレ(だと思う)で
拳銃を見つけて持ってきてしまいます。
持ち主らしき怪しい男に追いかけられながらも、
藤井はしっかりとその拳銃を持って逃げおおせてきました。
そのことは4人の中で大きなウェイトを占めていると思われるのですが、、、、

自分にとって大きな出来事でも、一緒に体験した別の人にとっては、
そうでもなかったり、言われた事、取られた態度に傷ついたとしても、
相手はそんなつもりは全くなかったり、と言う事はこうやって存在するんだなぁ
と言うお話だったと思います。
藤井にとって一大事だったそのコルトガバメントを取ってきた事件の終焉は、
他の3人にとって、印象に残っていない(記憶にないという事でそれが表現されております)し、
4人で万引きしていた駄菓子屋での出来事も、自分にとっては仲間との決別を決行するくらい
大きな事だったのに、他の3人だけじゃなくその駄菓子屋のおばちゃんにとっても、
大したことじゃなかったと、気づいたときの藤井はそれはもう可哀想なくらいでした。

信ちゃんが聞きたかった、「なぜ藤井だけ違う中学に進学したのか」と言う事は、
皆は裏切りに対する怒りなのかと思っていたけれど、
酔いを覚ましに行って逆にへべれけになって帰ってきた信ちゃんの口から出たのは、
『上の子がパソコンばっかりやって部屋から出てこなくてよぉ。
 みんなと別の中学行きてぇって言うんだよぉ 大泣き
 だからさぁ、何であの時藤井は別の中学に行ったのか教えてくれよぉ』
と言う物でした。
結局、その直後に酔いのために爆睡しちゃう信ちゃんなんですけどもね w

明夫は、仕事で独立して会社を立ち上げてみたものの、
うまくいかない事も多いらしく、しかも奥さんとの間もしっくりいっていない模様。

ゾメは、自称・引きこもりで、藤井の前だけでは素直な面を見せるけども、
それは気持ちの良い物ではなく、藤井をイライラさせ、藤井もまたゾメの前では素直に
怒りをあらわにしてみたりするのです。
そのゾメ、「だって信ちゃんと、明夫にとって俺は気持ち悪いキャラだろ」と言って、
腕をまくるとタオルが巻き付けてあり、腹回りには張りぼてみたいな物が!ΣΣ(゚д゚lll)
気持ちの悪い太り方だなぁ、腹回りはタオルかなぁ、、、と思っていたのですが、
”自分で作っていたデブキャラ”だったとは!!
そんな事をしてキャラを演じてる割に、同窓会での他の同級生のやりとりを、
『気持ち悪い』という時のゾメが、一番気色悪い感じでしたけどね(^_^;
(それを狙っての演出だと思いますが)

その後、3人は藤井の部屋で雑魚寝し、
4人で万引きしていた駄菓子屋が改装したそば屋にご飯を食べに出ます。
その頃にはなんだかわだかまりが薄れている印象・・・
此処で幕かと思ったら、もう一幕。
小学生時代
拾ってきたコルトガバメントが藤井の元に残った経緯が語られます。
あの時、殺したいと思っていた相手は誰だったんでしょう・・・・
母親だったのか、悪友3人だったのか、その両方だったか。

結局、その3人とあった事で、お荷物だと思っていた寝たきりの母親の存在を受け入れ、
自分の現状を受け入れる事ができた藤井。
やっと、小学生時代から持ってきた心の中の重荷を下ろす事が出来た所で幕。


小劇場の舞台で子役が出てくる物を見たのは初めてでしたが、
かれら、芸達者です。
初舞台の子たちだそうですが、『小学生男子って、こんなだよなー』な情景を
その場に作ってみせました。
しかも、彼らのリアルじゃないですからねw
1974年生まれの脚本家 田村孝裕さんの小学生時代ですから、
まさしくあれは演技では無かろうかと。
しかも、31歳の4人とちゃんとリンクして見えるのです。
ゾメ役の二人なんか、完全にシンクロした動きをしていて、
『親子か?』と突っ込みたくなるほどw

瀬川亮さん、今回は衣装がテロンとして素材だったためか、
太ももの太さが際立っておりました!
腕もまくるシーンがあり、凄い筋肉・・・
あんな立派な身体してたら、そうそう虐められないと思いますけど、
虐められてるときの演技が凄く良いんですよねw

全体的に本当に男臭い物語でしたが、
語られている本流は、人間同士の繋がりの難しさを表していた気がします。
最終的に自分を受け入れる事ができた藤井、
ホッとして劇場を後にする事が出来ました。
しかし、最近和田憲明さんの脚本が劇団EXILEに採用されているのが分かる気がします。
ハードな男の芝居を書かせたら、凄いもんなぁ。
アリゲーターダンスとか、ライカでグッドバイとかも
また別のキャストで見てみたい気がします。
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