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ドレッサー 渡辺哲・小宮孝泰プロデュース [大好きお芝居・舞台♪]

小宮さん出演のお芝居は、前回の熱海五郎一座以来かな?
仮チラの時から何となく気になっておりまして、
でもこの所もの凄い勢いで行ってるからなと思って、
スルーしようと思ったんです。
が、大谷亮介さん演出も気になってしまい
カンフェティでチケットゲット。
初めての吉祥寺シアター行ってきました。

100604_dresser01.jpg
劇場 吉祥寺シアター
座席 B列18番(指定席引換券でした)

前から2列目の一番上手寄り(^_^;
でも、十分見やすい感じでした。
この劇場、武蔵野市の施設なんですね。
それにしてはというか、かなりお洒落な作り。
座席に着くのに階段を上るのは、お年寄り相手ではないと言う事ですかね。
初日だけあって沢山飾ってあるお花が凄く新鮮で良い香り。

一度、小宮孝泰さんの一人芝居、『接見』を見てから、
彼は舞台の上の人だなぁと思っていたのですが久々ですね。
今回はかなりガッツリ舞台上にいるようなので、それを楽しみに出掛けました。
暗転前、薄暗い舞台上で役者の方々がなにやら小道具を置いて回っている。
どうやら、これで旅回りの一座の様子を表している模様。
舞台や、楽屋のチェックをしている様な雰囲気があり、暗転、、、

さてお話。
第二次世界大戦中のイギリス。
あるシェイクスピアを演じる劇団は、かなりワンマンな座長がいて、
その彼には付き人が居る。
そしてこの所心神耗弱状態らしく、言動がかなり可笑しい。
今日も開演まであと1時間だというのに小屋入りしておらず、
さっきまで病院にいたという。
市場で奇声を発して居たところを付き人、ノーマン(小宮さん)に見つかり、
病院へ無理矢理連れて行かれたから。
ノーマンが座長の楽屋でせっせと支度を勧めていると、
座長の夫人(久世星佳さん)が病院から戻ってきた。
かなり衰弱している状態だから、公演はやめにして
彼を入院させて休ませたいと言う。
しかし、座長で持ってるような一座で彼が入院してしまったら、
それは一座の解散に繋がる。
ノーマンは療養所に入っても絶対良くはならない、
彼の居場所は舞台の上なんだからと、すったもんだの説得をしている。
そこへ、舞台監督のマッジ(大西多摩恵さん)が来て、
現実的な話をしたいと言って、夫人を自分の部屋へ来てくれと頼む。

そんな事をしていると、本当に心身ともにボロボロと言った風情の
座長(渡辺哲さん)が楽屋に入ってくる。
戦争中と言う事で状況も悪い。
若い役者はどんどん戦争にとられるし、
しょっちゅう空襲警報で公演は中断されるらしい。
そこへ来て役者が一人ホモの容疑で(なんちゅう容疑だ)
警察に捕まったらしい。
座長だけではなく、劇団としてもかなりボロボロだと言う事が段々分かってくる。
そんな中、座長は自信がないとか、もうダメだとか言って愚図る。
それをノーマンは宥め賺してリア王の用意をさせようとする。
出だしの台詞が出ないと座長が泣き出せば、
そらんじて見せたり、きっかけを出したりと、
大活躍のノーマン。
リア王の上演予定なのに、オセロのメイクをしてしまったり。
その間にもどんどん時間が過ぎて、開演時間が迫ってきます。

結構長い間続く二人芝居w
このやりとりがかなり笑えるのですよね。
傍若無人な経営者と、彼の側近というか
王と道化のような関係。
それでも道化は王をしゃんとさせる事に成功します。
開演前、代役の役者達に色々指示を出したりもします。
この時、道化役で代役を務める事になった
ジェフリー・ソーントーンは演出の大谷亮介さんが演じます。
今日の観客は彼のファンが多かったんでしょうか。
しょうの隣の3人連れもずっと大谷さんの話題で盛り上がっていましたし、
彼のシーンは必ず大きな笑い声が上がっていました。
まぁ、確かに面白いシーンではあるのですが(^_^;
本来の役者は小さかったとかで、道化の衣装がツンツルテンだし、
彼のがたいで道化のメイクは反則なくらい面白いですしね。

他にもう一人代役の役者、オクセンビー(勝矢さん)が来ます。
どうもかなり反抗的な態度だし、座長も好かん態度。
間をノーマンが取り持ちます。
見てくれと渡した戯曲はどうしたと言うオクセンビー。
どうも今の座長ワンマン体制に不満があるようです。

さて、メイクをして、髭を付け、鬘を付けさせて、
王冠を被り、夫人が(彼女も一座の女優だったらしいと、この時気づきました)
リア王のマントを持って楽屋に来たら、すっかり何時もの通りで、
劇中の台詞で妻を迎えます。
「おぉ、凄腕の付き人だねぇ』と思ってる間に、
芝居の幕は上がります。

舞台で王の登場シーン。
なかなか座長は出て行こうとしません。
やっぱりダメなんじゃないか!
客が待ってるのにどうするんだと、マッジは怒ります。
舞台上でも異常を感じて、エドマンド役のオクセンビーが
機転を利かせて場を繋ぎます。
ちょっとそこまで王の様子を見て参ります!と言って、
袖に引っ込んだ途端に、偉そうな態度で悪態をつくオクセンビーw
その落差が非常に役者らしい演技(変な日本語)で笑えます。
そして、ようやく王が登場。
その後は何とか無事に進んで行きますが、嵐のシーン。
嵐の音は、そうやって出していたのかという、
当時の舞台裏の様子が凄いw
人数が足りず、鉄板をワンワン言わせるのをノーマンがやっていましたが、
あまりに力が足りず、さっきは嫌がっていたオクセンビーが
ノーマンを押しのけてガシャガシャと鳴らします。
もう、王の台詞が聞こえないくらいwww

そして、一端座長の出番は終わって楽屋に入ってきます。
一寝入りする程時間があるらしい(リア王、見た事無いのです)。
そんな中ノーマンが寝る支度を調えてると、寝入るまでは側にいてくれと言う座長。
寝入ったところで夫人と交代します。
夫人は衣装の繕い物をしながら、寝ている座長に話しかけます。
かなりぞんざいに。
兎に角休んで欲しいというのです。
お金もあるんだから、休まないとと言うけれども、
座長はサーの称号が欲しいためか、絶対に降りないと言い張ります。
この時の会話で、夫人と言っても籍が入っていない二人だと判明。
サーの称号が欲しい為に前夫人と正式な離婚をしてないんだとか。
イギリスは結構その辺厳しいんですなφ(._. )
結局、彼女の訴えは却下されて追い返されます。

そしてお次は、お小姓役のアイリーン(山本育子さん)登場。
座長に取り入ろうというか、どうも色仕掛けしようと言う雰囲気。
座長の方もまんざらではない???と思っていたら、
おもむろにアイリーンを抱きかかえて『でも、もう遅い!』と叫びます。
外でそれを聞いていたノーマン。
アイリーンに中で何をしていたのか問い詰めます。
彼女は座長は自分を気に入ってくれたのだと言いますが、
ノーマンは、
『座長が欲しいのはね、若いコーディリアじゃなくて、
食が細くて楽に抱きかかえる事が出来る細いコーディリアが欲しいのさ。
奥様だって若いときにお小姓からコーディリアに大抜擢されたのはそのためさ!』
と言って、アイリーンを馬鹿にします。
このアイリーン、どうも尻軽な質なようで以前にも役者と色々あった模様、、、

さて、お次はマッジが登場。
座長はマッジが20年以上一緒に芝居を作ってきてくれた事を感謝して、
指輪を贈ると言って、前座長(?)から受け継いだ指輪を渡します。
『若いときにも渡そうと思ったんだが、誤解されると困ると思って、、、』
そう言う座長にマッジは、
『でもあなたは一座のオールドミスの気持ちを分かってくれたわ』と、
満足そうに言います。
そして、指輪を置いて楽屋を出て行くマッジ。

舞台はいよいよ最後の時。
コーディリアを抱いて墓場へ進み、そこで倒れ込む悲劇のリア王、、、
舞台袖で、手に唾を吐きぱんぱんと打ち鳴らす座長。
「んもう、それは止めてよ!労働者みたい!!」という夫人の台詞。
舞台の裏ってこんななんですかねw
流石にコーディリアを抱きかかえているシーンはありませんでした。
が、感動のラストシーンを演じきり、カーテンコールに答える座長。
幕の中ではノーマンが、明日の出し物や次回の公演地などを囁きます。
そして、楽屋に戻った二人。
かなりご機嫌で、ビールを飲む座長。
出来はかなり良かった模様。
そこにジェフリーが来たり、オクセンビーが来たりして、
挨拶をして皆劇場を後にしていきます。
オクセンビーは最後に捨て台詞を吐いていきます。
『暴君の居ない劇団を作る!』と。
今日の座長はご機嫌で、ノンビリと衣装を解いています。
そこに夫人も迎えに来ますが、待ってられないから先に宿に帰ると言って出て行きます。

ノーマンと二人きりになった座長。
書き出した自叙伝、今日は少し筆が進んだんだと
ノーマンに話し、ちょっと読んでみろと言い出す。
読んでいくと、色んな人に感謝して○○に捧げるの文章。
最後、自分の事が書いてあるのだと観劇するノーマン。
しかし、そのノートのページをめくるとその謝辞は
ウィリアム・シェークスピアに捧げたもので、
自分への謝辞は一切書いてない事が判明。
半狂乱のように、酷いと言いつのるノーマンですが、
眠りこけてしまったのか座長はウンでもスンでもありません。
ノーマンが激しく揺すっても起きる気配がない座長。
彼は満足のいく舞台を終えて、ご機嫌のままこの世を去っていたのです。
激しく動揺して楽屋の外で、夫人とマッジを交互に呼ぶノーマン。

マッジが走ってきて、座長を確認するとやはり息を引き取っていて、
その脇には取り乱したノーマン。
『しっかりしなさい!』というマッジに、
ノーマンは
『俺たちは陸に上がった魚なんだよ!
ここじゃなきゃ居場所がないんだよ!!!』
この台詞、胸にいたいですね。
実は一度の食事に誘われたり、労をねぎらわれた事がないと言うノーマン。
でも、彼は暴君である座長の側でなければ居場所がない、
そんな人間になってしまっていたのでした。
マッジが夫人に連絡しに行っている間に、
書きかけの自叙伝のノートにこっそり自分を付け足すノーマン。
『照明係、衣装係、小道具係、、、、ドレッサーの皆、、、、』
あぁ、題名はここから来てるのかと納得しました。
最後くらい、自分が居た証明を残したいですよね。
そして、マッジも夫人に言われたとおり
リア王のマントを座長に掛ける際、一度返した指輪を抜き取り、
自分の物にしたのでした。

ノーマンのように実は座長が嫌いだった、
と言う事ではないんですけどもね、
『陸に上がった魚』の台詞、ぐっさり来てしまった今回のしょうでした。
なんだか、今の私はそんな状態かも、、、、
しかし、このお芝居面白いですね。
笑わせるところは確かにあるのですが、
イギリス物らしく、奥が深いというか考えさせられる部分が結構あります。
暴君が支配していた一座は、多分コレで崩壊して行く事でしょう。
でも、『暴君が居ない劇団を作る』と宣言していったオクセンビーが居ました。
この辺、国家の変遷にも見て取れますね。
暴君は居ないけれど、やはり色々問題を抱えている各国の様子を考えると、
オクセンビーの願っていたような劇団(国)は果たして出来たかしら。
とかね。
映画や日本でも何度も舞台化されているようです。
他のバージョンも見てみたくなりました。

何時ものようにアンケートを書いてロビーに出ると、
やっぱり初日、色んな方々がおいででした。
分かっただけでも、ラサール石井さん、朝倉伸二さん、星野園美さんなど。
他にも沢山関係者らしき人がいらっしゃいました。

あと、チラシ。
大谷亮介さんの壱組印、8月から9月にかけて公演があるようです。
その後、年末にプリエールプロデュース『烏賊ホテル』出演。
鬼が笑いそうですが来年3月に道学先生の舞台を演出される模様。
『デンキ島〜白い家編』前回見たときは苦手な感じでしたけども、
今度は大谷さんが演出と言う事ですからちょっと楽しみですね。
”海をゆくもの”、”博覧會”、"ドレッサー"と、この所大谷さんが関わっている
お芝居をよく見ているような、、、
でもやはり良い役者さんだし、演出も流石と言う所ですね。

小宮孝泰さんもやはり舞台上で光りますね。
今回の公演は、彼がこの脚本に惚れ込んで上演の運びになったとか。
その情熱が感じられる舞台でした。
渡辺哲さんはこんなにガッツリとは意見したのは初めてですが、
シェイクスピアシアター出身とか。
さすが長台詞も抜群の安心感。
下町の頑固おやじ役が多いような気もしますが、
やはり頑固なところは今回の座長も同じでしょうかねw
今回のユニット名、T.K.JUMPは小宮と(渡辺)哲の頭文字を合わせた物だそうです。
次回はこのユニットで何をやってくれるか楽しみです。

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佳乃のパパ

この舞台1日落語やる日もあったんですよね!
by 佳乃のパパ (2010-06-09 07:35) 

しょう

佳乃のパパさん、コメント&nice!ありがとうございます!
えー、そうなんですか!!
知らなかった・・・・
by しょう (2010-06-09 14:19) 

ギリギリのお玉

初めまして。

あわさんのブログから飛んできました。

私は日曜日に拝見したんですが、すごく笑えて感動する舞台でした。

詳しい感想ありがとうございます。
感動が蘇ってきました(*^_^*)
by ギリギリのお玉 (2010-06-16 02:37) 

しょう

ギリギリのお玉さん、コメントありがとうございます。
あわさんのblogから、ありがとうございます。

お褒め頂きありがとうございます 照
日曜日と言う事は楽日ですね。
盛り上がったのではないでしょうか?
良いお芝居を観るのは、楽しいですよね。
これからもよろしくお願いします。
by しょう (2010-06-16 14:41) 

熊五郎


お風呂で洗いっこ楽すぅぃぃぃぃ!!ヽ(*´ー`*)ノ
若い女の子にあんな体中さわられたの初めてだぜぇぇぇ!!

もー我慢できなくてベッドに戻るまでに3回もヤっちまった!!
これやってたら風 俗とか行く気なくなるわ(笑)
http://qoq06qc.jp.mg999.info/qoq06qc/
by 熊五郎 (2011-04-11 12:18) 

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